小林 能直

物質循環システムの創製によるゼロカーボン材料技術
ゼロカーボン社会の創出のためには、構造材料・機能性材料創製技術においても、カーボンニュートラルループでの製造プロセスを考案することが不可欠です。鉄鋼は建築、輸送、エネルギー創出におけるベースマテリアルであり、従来の鉄鉱石と石炭からの二酸化炭素排出が不可避な製造プロセスから、リサイクル鉄およびゼロカーボンエネルギーの活用によりゼロカーボン製鉄を実現し、物質循環型社会構築を先導します。

次世代革新炉の材料信頼性向上に関する研究
原子力システムを長期間にわたり安全にオペレートするために必要な、信頼性の高い健全な金属材料に関する研究を行っています。核燃料被覆材・圧力容器や蒸気管など高温・高腐食性応力・放射線照射の環境下で長期に使用される金属材料の健全性を高めるため、組成・組織の最適制御を目指した創成プロセス開発と特性評価を行っています。

沸騰水型軽水炉過酷事故後の燃料デブリ取り出しアクセス性に関する研究
過酷事故後の廃炉加速を目指した燃料デブリ取り出しアクセス性を評価するために必要な、燃料デブリと炉心下部構造物の反応による材料損傷状況評価を行っています。また、燃料・制御棒・構造材料からなる系の熱力学的性質を把握し、生成物挙動による炉内状況推測および燃料デブリの安全な取り出しおよび保管に必要な相安定性評価を行っています。