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レーザー生成ドリフトプラズマを用いた局所自在プラズマイオン注入による表面改質技術の創出
レーザー生成ドリフトプラズマを用いた局所自在プラズマイオン注入による表面改質技術の創出
長谷川 純 研究室
研究の背景および目的
プラズマイオン注入法(PBII)は,プラズマ中に置かれた基材に負のパルス高電圧を印加し,その周囲に形成されたシースで加速されたイオンを基材に照射・注入する技術.複雑な3次元形状を持つ機械部品等の表面改質に適しており,他の成膜技術に比べて,基板温度を室温に保てる,10 µm以上の膜厚を実現可能,機材との密着強度を制御可能,金属以外(樹脂等)にも成膜可能,といった特徴がある.本研究は,PBIIのプラズマ源としてレーザーで局所的に生成した高密度プラズマを新たに用いることで,従来よりも柔軟で高効率な表面改質技術を探究している.
研究内容
レーザー生成ドリフトプラズマを用いたPBIIの原理実証実験を実施中.従来は難しかったアスペクト比の長い円筒基材内面へのDLC成膜を実現するため,最適なプラズマ生成条件およびパルス電圧印加条件を探索している.2次元数値シミュレーションによるプラズマ解析と,イオン注入された基材の詳細分析を通じて,本提案手法の機構解明および課題抽出を行う.
GX技術発展にて期待される効果
PBIIによる成膜技術は,機械部品の耐摩耗性や潤滑性の大幅な向上をはじめ,産業界における適用事例は極めて幅広く,省資源・省エネルギー社会の実現には欠かすことのできないGX技術である.