
東京工業大学 科学技術創成研究院
グリーン・トランスフォーメーション・イニシアティブ
Green Transformation Initiative at Tokyo Tech, Tokyo Tech GXI
GXIセミナー
"2023年度第2回GXI seminar「野生の空海-仏教僧はなぜ土木技術者だったのか」" |
講師: |
中島 岳志 教授 |
所属: |
東京工業大学、リベラルアーツ研究教育院 |
日時: |
2023年5月29日(月) 16:00-17:20 |
場所: |
北1号館1階会議室+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
平安初期の僧・空海は、真言宗の開祖であるとともに、満濃池の改修を指揮する土木技術者でもあった。なぜ、日本土木史の基層に、仏教僧が深くかかわっているのか。なぜ空海は、難工事を成功に導くことができたのか。ヒントになるのは、構造主義を唱えた文化人類学者・レヴィ・ストロースの思想である。彼の代表作『野生の思考』は、近代合理主義とは異なる「未開社会」の知の構造と最先端の科学が合致する地平を提示している。「人新世」と言われる今日、私たち人間が自然とかかわる知の技法を、空海の<密教>を通じて考えたい。 |
"2023年度 第1回GXI seminar「国際エネルギー情勢の展望とわが国の課題」 " |
講師: |
小山 堅 特任教授 |
所属: |
ZC研 |
日時: |
2023年4月18日(火) 16:00~17:20 |
場所: |
北1号館1階会議室+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
国際エネルギー情勢の展望とわが国の課題について、最新の動向を踏まえた話題提供がなされた。 |
"2022年度 第8回GXI seminar「脱炭素社会のソリューションの地域実装への産学連携研究に向けて」" |
講師: |
藤田 壮 教授 |
所属: |
ZC研 |
日時: |
2023年2月27日(月) 16:00~17:20 |
場所: |
北1号館1階会議室+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
脱炭素の長期的な未来の実現とともに短中期的に社会経済活力を高めるグリーンリカバリー事業を実現することが求められている。そのためには、2050年脱炭素社会の実現に向けて、地域の特性を反映する合理的な長期未来の将来の目標を脱炭素を含めて多元的に設計した上で、現状と未来の橋渡しができるグリーン成長と地方創生に資する事業を、具体的に設計する理論と手法を構築して社会で運用、検証実装することが緊急の課題となる。様々な扇動例の実現や課題への取り組み等から意欲的な社会転換に取り組む地域、都市に先導的に実装して効果を科学的に検証する研究が必要となる。現状の都市を診断して、持続可能な脱炭素の将来目標を描き、そこに向かう環境・社会・経済の統合的向上の事業を設計する産官学民連携研究を提案してその推進の状況について報告する。 |
"2022年度 第7回GXI seminar「水と電力を用いた化学品合成」" |
講師: |
山中 一郎 教授 |
所属: |
東京工業大学 物質理工学院 |
日時: |
2022年12月5日(月) 16:00~17:20 |
場所: |
北1号館1階会議室+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
電気化学ポテンシャルは強力な酸化力,還元力を有している.1.0 Vの電位差を掛けることは,ΔG = 96485 J mol–1,約100 kJ mol-1の強力なエネルギーが化学反応に関与することになる.有機過酸化物などの酸化剤や金属水素化物などの還元剤を用いることなく,水と電力(電位)を用いれば,酸化反応や還元反応を進行させることできる.この特徴を高分子固体電解質(Solid Polymer Electrolyte)膜を用いた電解反応に適用し,かつ新規電極触媒を組み込むことにより,CO2の電解還元,有機ハイドライドの電解合成,そして化学工業の観点から価値ある高難度の反応を実現できる.水と電力を用いたSPE電解による化学品合成は,化学プロセスの電化に向けた中核技術となりうる. |
"2022年度 第6回GXI seminar「生命:40億年のサステナビリティー」" |
講師: |
田中 寛 教授 |
所属: |
東京工業大学 化学生命科学研究所 |
日時: |
2022年10月18日(火) 16:00~17:20 |
場所: |
西9号館ディジタル多目的ホール+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
地球上の生命は約40億年前に生まれ、それから現在まで一度も途切れることなく引き継がれてきた。一般的なシステムと同様に、生命を根底で支えているのはエネルギーであり、生体エネルギーの安定供給は生命の維持に常に大きな課題となっている。長い進化の間に生命は、原始的なH2とCO2の反応系に始まって、有機物の酸化、光合成明反応など様々なエネルギー生成方式を獲得し、変化に富む自然環境の中でそれらの使い分けによる安定的なエネルギー供給を実現してきた。得られた余剰のエネルギーは蓄えて備えとし、不足の際にはそこからエネルギーを取り出すと同時に、細胞自体を低エネルギー消費型のシステムに作り変えることまでをやってのける。今回はこのような精緻な生体制御を概観し、永続的なシステムデザインに必要な条件の考察としてみたい。 |
"2022年度 第5回GXI seminar「再生可能エネルギーからの水素製造と利用
〜アニオン交換膜型水電解および固体高分子形燃料電池の展開〜」" |
講師: |
山口 猛央 教授 |
所属: |
東京工業大学 化学生命科学研究所 |
日時: |
2022年9月26日(月) 16:00~17:20 |
場所: |
西9号館ディジタル多目的ホール+Zoom |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
50 ℃未満の温度で水素と窒素からアンモニアを合成する新触媒の開発について報告された。この触媒は豊富なカルシウムに水素とフッ素が結合した物質「水素化フッ素化カルシウム」とルテニウム(Ru)ナノ粒子の複合材料「Ru/CaFH」で、室温で水素と窒素からアンモニアを合成できる。我々はCaFHが低い温度で電子を与える力が強いことに着目し、その学理を低温でアンモニアを合成する触媒の開発に繋げた。当該触媒はアンモニア生産の大幅な効率化だけでなく、自然エネルギーを使った温室効果ガスのCO2排出ゼロにつながることが期待される。 |
"2022年度 第4回GXI seminar「低温アンモニア合成触媒の開発:50 ℃でアンモニアを合成する不均一系触媒」" |
講師: |
原 亨和 教授 |
所属: |
東京工業大学フロンティア材料研究所 |
日時: |
2022年7月28日(木) 16:00~17:20 |
場所: |
Zoomによるオンライン講演 |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
50 ℃未満の温度で水素と窒素からアンモニアを合成する新触媒の開発について報告された。この触媒は豊富なカルシウムに水素とフッ素が結合した物質「水素化フッ素化カルシウム」とルテニウム(Ru)ナノ粒子の複合材料「Ru/CaFH」で、室温で水素と窒素からアンモニアを合成できる。我々はCaFHが低い温度で電子を与える力が強いことに着目し、その学理を低温でアンモニアを合成する触媒の開発に繋げた。当該触媒はアンモニア生産の大幅な効率化だけでなく、自然エネルギーを使った温室効果ガスのCO2排出ゼロにつながることが期待される。
アンモニアは肥料として世界人口の70%の命を支える人類に必須の化学物質で、水素と空気中の窒素から触媒を介して生産する。しかし原料の水素はメタンなどの化石資源から作られるため、CO2排出は総排出量の3%を越えている。 |
"2022年度 第3回GXI seminar「小型モジュール炉SMRの未来」" |
講師: |
小原 徹 教授 |
所属: |
東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所 |
日時: |
2022年6月29日(水) 16:30~18:00 |
場所: |
Zoomによるオンライン講演 |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
近年小型モジュール炉(SMR)への関心が高まっている。2020年に出されたSMRに関する国際原子力機関(IAEA)レポートには世界各国で開発が進められている72ものSMRが紹介されている。これまでの発電用原子炉は経済性を追求しひたすら大出力の原子炉(大型炉)が開発・建設されてきた。出力の小さい原子炉(小型炉)は、能動的な機器によらずに安全性が担保できる受動安全炉の設計が容易で、かつ建設期間も短くなる等のメリットがある。一方で一般に小型炉は経済性では大型炉に対して劣る。これを解決するために考案されたのが原子炉の設計を規格化して工場生産により製造・建設コスト低減を図る小型モジュール炉の考え方である。講演では、小型モジュール炉の特徴、開発の現状とその未来について概観した。 |
"2022年度 第2回GXI seminar「社会インフラストラクチャーとしての蓄電池の未来-蓄電池10の小話-」" |
講師: |
荒井 創 教授 |
所属: |
物質理工学院応用化学系/科学技術創成研究院全固体電池研究センター |
日時: |
2022年5月26日(木) 17:30-19:00 |
場所: |
Zoomによるオンライン講演 |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
蓄電池は、自動車のスターター・非常用バックアップに始まり、ポータブル機器電源として幅広く使われて来た。近年では電動車用電源や再生可能エネルギー由来電力の貯蔵といった大規模用途への展開が進むとともに、製造量が急激に増大し、部品でありながら社会インフラストラクチャーの一つとして考え直す時期に来ている。本講演では、蓄電池の満たすべき要件に基づき、鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池を中心とした実用蓄電池が、どのような特徴を活かして社会でどのように棲み分けられて利用されているか、課題や今後の可能性を交えて、解説する。また大型用途として開発されているレドックスフロー電池やナトリウム硫黄電池、次世代型として期待される全固体電池や空気電池についても概説する。 |
"2022年度 第1回GXI seminar「ウクライナ危機と国際エネルギー情勢」" |
講師: |
小山 堅 特任教授 |
所属: |
東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所、日本エネルギー経済研究所 |
日時: |
2022年4月19日(火) 16:45-18:00 |
場所: |
Zoomによるオンライン講演 |
発表言語: |
日本語 |
概要: |
グリーントランスフォーメーション(GX)による社会のカーボンニュートラル(CN)化を目指すため、GXイニシアティブ(GXI)が設置された。
社会の重要課題であるGXについて理解を深めるためのGX seminarを定期開催する。
第1回目は小山堅特任教授による「ウクライナ危機と国際エネルギー情勢」として、天然ガスや原子力も含むエネルギー安全保障について、最新の話題が提供された。 |
産学連携委員会への皆様のご参画を心より歓迎いたします。
GXI事務局: |
電話 : 03-5734-3284、e-mail : officegxi.iir.titech.ac.jp |